折れてしまいそうなほど痩せ細った栞の太股に、手をのばした。
ゆったりと、愛でるように撫でさする。
栞が頭を持ち上げて、俺の行為をじっと凝視している。
まるで、俺の顔に浮かぶ表情を見逃さないとするかのように。
太股を撫でさすっていた手を、少しずつ上のほうに持っていき…。
栞の下着に触れた。
…下の部分が、湿っていた。
さきほど俺に口でしてくれた時と、キスで、栞も興奮していたんだ。
そうと知れて、俺の胸が苦しくなるくらい欲情がわく。
祐一 「栞、濡れてるぞ…」
ちょっと意地悪したくなって、わざわざ言ってみる。
栞 「…えっ?」
栞 「あ…。うう、ひどいです」
祐一 「これは、脱がさないとな…」
栞 「だ、ダメですっ」
栞は慌てて、両手で自分の下着を抑えた。
やんわりと、相手をからかうような、拒絶。
…それは、俺たちなりの愛情表現のヒトツ。
わざと相手を困らせて、甘えてみるような。
祐一 「脱がないと、汚れちゃうぞ…?」
そう、栞の耳元に囁いてみる。
栞は真っ赤に頬を染めつつ、自分の下着を降ろしはじめた。
途中まで降ろしたものを俺が引き継ぎ、栞の脚から下着を抜き取る。
栞のその部分が濡れていて、下着との間に糸を引くのを目撃してしまった。
そんなイヤらしい光景に、俺は思わず息を飲んで見入る。
その栞の大切な所に指をのばし、ゆっくり…ゆっくりと、その周囲を指で撫で回す。
栞は自分の身体を抱くように腕を交差させ、俺のことを不安げに見つめてくる。
…さあ、どうやって、栞を可愛がってやろうか。
そんなことを思い、なんだかうきうきと楽しくなってくる。
栞から拒まれ続けていた間、いざその時になったら、どんなことをしようかと悶々と考えるようなことがあった。
…俺だって、男だ。
栞との行為を想像して、自分で慰めるようなことだって、一度や二度じゃない。
ずっと考えていたことを、今日ここで実行してみせようと、心に決める。
…そうだ。
さっき栞は、俺のためにあんなことをしてくれたんだ。
今度は俺が…。
祐一 「栞、さっきのお返しだ」
栞 「はい…?」
ベッドに横たわる栞の太股の間に、身体を割り込ませる。
そうして、その部分に、俺は顔を寄せていく。
それと気づいて、栞は慌てて、その部分を手で覆い隠した。
栞 「わ、わーっ! そんな近くで、見ないでくださいっ」
祐一 「…手、どけて」
栞 「ゆ、祐一さぁんっ」
祐一 「どけないと、エッチなことができないぞ」
栞 「だめです…だめですよーっ」
祐一 「…しおり」
ゆっくりと、しかし強く、栞の名を呼んだ。
その呼びかけで、栞はようやく、のろのろと手をどける。
そして俺は、栞のその部分に唇を寄せた。
栞 「あっ!?」
栞は、慌てて腰を引こうとした。
俺はそれを手で抑えた。
栞 「そ、そんなっ…口でっ…!?」
栞の驚いた声に言葉では答えず、キスを続けることで応えた。
栞 「あっ、あぁっ…だ、ダメです…」
栞 「き、汚い、ですよぅ」
祐一 「全然そんなことないぞ」
栞 「…はぁ、うううっ」
キスだけじゃなくて、舌を出して、愛撫を続ける。
栞のその部分を、縦に舐めあげた。
その度に、栞の身体がピクリピクリと震えた。
栞 「…そんな…あぁっ…そんなぁ…」
あまりの羞恥でだろう、栞は両手で顔を覆っていた。
…そんな可愛い仕草に、胸をくすぐられるような思いだった。
俺は調子に乗って、舌の動きを強めてみる。
最初は浅い部分だけだったけれど、少しずつ、奥の方も掻き出すように舌を操る。
栞 「……っ! ……っ!」
栞は歯を食いしばって、漏れそうになる声を噛み殺している。
…栞の声を聞きたい。
耐えられないくらいに、もっと声をあげさせてみたい。
舌を挿し出し、その部分を舐めあげ、時に潜り込ませ、愛撫する。
…そうだ、ココも…。
興が乗ってきて、上のほうに付いている突起も、舐めあげてみた。
栞 「…やあぁっ!」
栞が、驚くほどの勢いで腰を引いた。
栞 「だ、ダメっ、祐一さんっ!」
ちょっと激しい反応なので、俺は戸惑い、動きを止める。
栞 「あの…そこ、敏感だから…優しく…優しく…」
祐一 「こ、こうか…?」
おっかなびっくり、舌先でつついてみる。
栞 「は、い…はい…はぁ…ふぅう…」
栞が、心地よさげな吐息をもらす。
チロッと上目遣いで栞の表情をうかがう。
栞は真っ赤な顔で唇を結び、快感に耐えるような顔つきをしていた。
その表情があまりにも色っぽいので、俺の下半身に、痛いくらいに血が集まる。
栞の反応を見ながら、少しずつ刺激を強くしていく。
そうしながら、空いた手を使って、栞のセーターをつつ…とたくし上げていった。
…と。
そうして、露わになった栞の胸と腹部を見て、俺は思わず硬直してしまった。
胸の間から、腹部に渡って刻まれた、手術の跡。
そして、無惨に痩せ細ってしまった腹部。
痛々しいくらいに浮き上がった、肋骨…。
それはあまりにも無惨で…栞が泣き出す理由が、痛いくらいにわかってしまった。
傷跡はそれほど酷くなかったものの、枯れたように痩せ細った身体は、16歳の少女には辛すぎる。
俺だって…大切な栞でなければ、怖じ気づいてしまったかもしれない。
俺の動きが止まったのを見て、栞はハッとなって身を固くした。
…しまった。
俺がそれを見て驚いているのを、栞に悟られてしまった。
栞 「…あっ…うっ…うあぁっ…」
見る間に、栞の両目から涙が溢れ出した。
栞 「…見ないで…見ないで…」
セーターを下ろそうとしながら、俺を押しのけようとする。
…約束、したのに…。
俺は慌てて、栞の脚の間から顔を上げる。
身を乗り出すようにして、栞に刻まれた傷跡に顔を寄せた。
栞 「…えぅ…やだ…やだやだ、やだっ…!」
栞が俺を突き飛ばそうとする。
それを力づくで押さえ込む。
祐一 「…これが、手術の跡…」
栞 「うわぁ…うわぁあ…」
栞が、俺の身体の下でのたうつ。
栞 「えっ…!?」
俺は、その傷跡に口づけをした。
そして、愛おしむように舌で撫でた。
祐一 「…感謝、しないとな」
俺が顔を上げ、近くにある栞の顔に笑いかけた。
栞 「……」
祐一 「栞が、元気になった証じゃないか…」
栞 「…祐一さん」
祐一 「ありがとう、な」
そう言って、俺はその傷跡にキスをした。
祐一 「…俺の大切な人を救ってくれて、ありがとう、だ」
栞が、再び泣きはじめた。
…でもそれは、さきほどまでの悲しみに満ちたそれではなくて。
安堵に、思わず泣いてしまったような、そんな安らぎの響きが感じられた。
栞 「…私も、感謝してます…」
栞 「…私も、ありがとう、です…」
祐一 「そうだな」
栞 「私の命は、たくさんの人からいただいているんだって、実感してます」
祐一 「ああ、そうだ」
栞 「…証」
栞 「私が、生きている、証」
祐一 「恥じる必要なんてないんだ」
祐一 「…むしろ、忘れるな」
祐一 「自分の命が、軽くないんだってことを」
祐一 「栞は頑張ったから、いま、ここで生きている」
祐一 「これは、その証だ」
栞 「…はい」
栞の腹部に愛撫を施しつつ、両手を伸ばして、セーターをたくし上げた。
…腹部への愛撫自体は、栞の快感を押し上げることはないのだろうけど。
いまは、必要であるように思えたから。
寝そべっているせいだけではないだろうが、栞の胸は、悲しくなるくらい薄かった。
薄い…どころか、ほとんど膨らみを感じられない。
そして、ポツンと心許なげにある、ふたつの突起。
栞 「…私、本当に痩せてしまいましたよね…」
祐一 「大丈夫だ。これから、ゆっくりと体重を戻していけばいい」
祐一 「急ぐ必要なんてないんだ。何年掛かってもいいからな」
栞 「はい…」
祐一 「それに、これから栞は、まだまだ成長していくんだから」
祐一 「きっと、前よりもエッチな身体付きになるぞ」
栞 「え、エッチって…?」
祐一 「俺がこうやって、揉んでやるから…」
祐一 「必要な部分だけ、肉が付くかもしれない」
言いながらゆっくりと、両手で栞の胸の部分を、弧を描くように撫で回す。
撫で回しながら、栞の胸の突起を手の平で優しく転がす。
それは、なんだかマッサージをしているような感じだったけれど。
続けているうちに、栞の表情がしだいに柔らかくなっていく。
栞 「…ん…ふぅ…」
栞は、きゅっと結んだ唇の間から吐息を漏らした。
栞の胸から、脇、腹、腰、尻へと、ゆるやかに撫で回していく。
栞 「…んふふ、ちょっとくすぐったいです」
栞が小さく笑って、リラックスした表情を浮かべた。
…あまりリラックスさせすぎるのも、駄目だろうな。
身体中を撫で回すのは止めて、胸を重点的に攻めてみる。
胸が薄いので感度が良いのか、栞の表情がうっとりと火照る。
そんな栞の表情を、俺はじっと見下ろす。
それに気づいてか、栞は閉じていた瞳を開き、俺のことを見上げてきた。
熱を感じさせる、潤んだ瞳。
…と、なんだかとても幸せそうに、微笑んだ。
だから俺も、笑みを返す。
栞 「…ふぅ…」
栞は吐息を漏らし、瞳をキュッと閉じた。
栞の身体が、上気してピンク色に染まっていく。
雪のように白かった肌が、ほのかに赤く染まる様は、美しかった。
栞が汗をかき始めたため、胸を撫でさすっていた手の動きが、ひっかかるようになった。
撫でさする動きから、胸を巻き込んで撫で回すような…なんだかイヤらしい動きになってきた。
すっかり固くなっている胸の突起を中心に、こねくるような動きで手の平をさまよわせる。
顔を下げて、栞の胸の間に唇を寄せ、舌を這わす。
そこから腹部、へそ、下腹部、丘の部分を越えて…。
再び、栞の女の部分へ到達した。
栞の感度もあがっているせいだろう、さきほどよりも、反応が良い。
胸への愛撫がしにくくなってきたので、胸の突起を指先で震わせるような愛撫に変える。
そうしながら、口での愛撫を重点的に、栞に注ぎ込んでいく。
…さっきよりも大胆に、そして少しだけ強めに。
栞の反応をうかがいながら、じわじわと強めていく。
栞 「…はぁ…あぁあ…んん…んぅ…」
思わず…といった感じで、栞の口から甘い声が漏れはじめる。
ベッドに沈んだ栞の腰が、俺の舌が動く度にゆるやかに震える。
俺の舌先から逃れるように腰を沈めるけれど、ベッドの弾力でまた戻ってくる。
俺から逃れようにも、身体を抑えられていて、思うように身動きできない。
抑えられた腰を支点に、栞の上半身が快楽に泳ぐ。
ベッドの中で、栞の細くて白い肢体が、なまめかしくのたうった。
俺の愛撫で、栞が感じている…。
それがたまらなく嬉しくて、愛おしい。
俺の下半身では、これ以上無理っていうほど、男のソレが張り詰めていた。
…そろそろ、俺も、気持ちよくなりたい。
栞の中に、入っていきたい…。
祐一 「…栞、そろそろ…」
栞 「…え? あ、はい…?」
祐一 「…そろそろ、入れる、な…?」
栞 「あっ」
栞 「ど、どうぞっ!」
とか、かしこまって言う栞が、可笑しかった。
◇