新サーバー「Hokuto」での「KAORU-BlueRose」
   1999年01月22日深夜。

 『Ultima Online』に、新サーバーが立ち上がる。
 その名は、「Hokuto」。
 第四の日本サーバー。

 「Asuka」、「Yamato」。
 そして、その後に立ち上がった第三の日本サーバー「Wakoku」。

 これら三サーバーと「Hokuto」とは、明らかに毛色の違うモノだった。


 「Asuka」と「Yamato」は、ほぼ同時にオープンした、日本サーバー。
 いままで、外国に設置されているサーバーで遊んでいた日本人プレイヤーの多くが、このふたつのサーバーに移っていった。
 また、在日サーバーということで。
 八割以上のPCに、(ローマ字使用による)日本語が通じる……という利点もあり。
 日本語OKということで、初めて、『UO』に手を染めた初心者プレイヤーも多かった。

 そして、『UO』に新しい世界、新しいモンスターなどを盛り込んだ、追加コンポーネント。
 『Ultima Online The 2nd Age』の発売。

 この『T2A』にあわせるように、第三の日本サーバー「Wakoku」が誕生する。
 『T2A』になって、ひらがなと漢字……本当の意味での日本語を、使えるようになった。
 これが、新たなユーザーを呼び込むことになり。
 「Wakoku」を中心に、「Asuka」、「Yamato」にも多くの新規プレイヤーが入ってきた。


 そして、この日。

 在日サーバーの人気から、第四の日本サーバー「Hokuto」がOpenする。
 ……しかし、上記のように、なんらかの理由で、新規プレイヤーを呼び込む要素は、無い。

 従って、既存のサーバーから移住してくるプレイヤーや。
 また、遊びのために訪れるプレイヤーのみが、「Hokuto」を選択する。

 その多くが、UO経験者で占められたサーバー。
 いままで建てられた、三つの日本サーバーよりも、一番、競争率の高い、奇妙なサーバーが立ち上がることになった。

”他のサーバーでは達し得なかったことを、この、新たなサーバーで……!”

 私も……この、新たなサーバーに歩を進める。
 いままで培ってきた経験で、どこまで……そして、なにができるのかを、確かめるために。




   1999年01月23日。

 仕事を終え、家に帰り着いたのは朝10時。
 スーツや脱ぐのも、シャワーを浴びる時間をも惜しみ、帰り着いたそのままで、自室に直行。
 デスクトップを起動させる。

 そして、『UO』をプレイ開始。
 見慣れないサーバー名「Hokuto」をセレクト。

 キャラクター名は……馴染みの「KAORU-BlueRose」。
 包帯治療50、扇動49、音楽01
 str45、int10、dex10

 彼女をブリテインに生み出し、そして、即座にログアウトさせる。


 相次いで、他に二キャラクターを作成。
 彼ら、彼女らのアイテムを、人気の無い所に配置。

 そして、「KAORU」でそれらを回収。
 合計300gpとスペルブック、秘薬、皮剥用ナイフ、ブーツ、楽器数点を手に入れる。

 その300gpで、ブリテインに住むNPC調教師から、動物調教skillを学び、skill30ほどに。

 不要なモノを銀行の貸金庫に納め。
 決死の覚悟で、ブリテイン都市の地下……LostLandへと通じる地下迷路へと踏み出す。

 「Asuka」ではほとんど人気が無いというのに、「Hokuto」では、この場所に多くの人間が行き交っていた。
 この地下迷路には、弱い小動物しか存在しないので、NewキャラのskillUPにはもってこい。

 かくいう「KAORU」も、ここで鍛錬を開始。

 鞄の中に入れた数種類の楽器をかき鳴らしつつ。
 皮剥ナイフで小動物と戦い、剣術を鍛錬。
 同時に、小動物の調教を試みて、動物調教skillをUP。

 一度、大ネズミの大群に囲まれ、あえなく死亡。
 ……しかし、失う物は何も無い。

 ブリテインのヒーラーで生き返らせてもらい、改めて地下迷路へ。

 ここで、小動物の肉を切り取り、ブリテインの街のNPCに売り捌くという、涙ぐましい努力で、30gpほど稼ぐ(笑)。


 そして、サーバーダウン。

 サーバー復帰後、ブリテイン地下では動物調教skillが上がりにくくなってきたので。
 ブリテインから離れ、ムーンゲート(移動装置)を使い、ムーングロウの街へ移動。

 ムーングロウの街には、ロストランドへと通じるゲートが存在する。
 このゲートをくぐり、ロストランド新都市パプアに到着。

 駄目もとで裁縫屋に行ってみたら、「糸」が売られていた。
 これを、有り金すべて……30gp(笑)を使って、購入。
 近くの機織り機で、糸から「反物」を作成。
 この「反物」から「包帯」を作りだし、傷ついた身体を癒す手段を得た。

 そして、パプアのはるか南西にある新都市デルシアへと向けて、徒歩で出発。

 ……が。
 いきなり、その行く手を阻むように、「リザートマン」……蜥蜴男の集団と遭遇。
 どうやら、「リザートマンキャンプ」が発生……小規模な戦闘イベントだ。

 これを、拙い音楽and扇動skillを使い、撃破。
 「リザートマン」自体と、彼らが守っていた宝箱の中身を漁り、一気に1000gp以上の金銭を得る。
 ……これで、当面のお金は工面できた。

 デルシアへと急ぐ途中、野生馬を探して歩く……しかし、居ない。
 やはり、多くの人間に見つけられ、飼われてしまったのだろう。

 ようやく野生馬を探しあて、調教。
 なんなくペットにして、デルシアへの旅を楽にする。


 「デルシア」へ到着。
 ……すごい人だ(@@;
 デルシア周囲にspawnする、羊の毛を刈り、それで反物を作って包帯にする……といった計画を断念。

 デルシア周辺で、鹿相手に動物調教skillを上昇させる。

 そして、デルシアのNPCから、剣系の武器「ハルバード」を購入し。
 それを手に、デルシアを出発。

 目指すは……骸骨砦。
 スケルトン、シェイド、スペクター、スネークのみがspawnする、小さな廃屋だ。

 そこへ移動する途中、「オークキャンプ」に遭遇。
 「オーク」どもをBardSkillで同士討ちさせ、見事アイテムをせしめる(笑)。

 彼らから、「リングメイル」の胴部分を手に入れ、装備する。
 途中に遭遇した、「ボーンナイト」?から、「クローズドヘルム」を入手し、これも装着。


 骸骨砦到着。
 ……やはり、すごい人。

 ここで頻繁にspawnする「スケルトン」は、「ボーンアーマー」という、軽くて丈夫な鎧を持っている。
 これを目当ての冒険者が、集まっていた。

 「KAORU」もここで奮闘し、剣術を磨き、そして武装を整えていく。

 ……しかし、シェイドだったかスペクターだったかの魔法攻撃をくらう。
 いや、ただの魔法攻撃なら良かった。
 モンスターの魔法で、毒に冒されてしまったのだ。

 もちろん、この時、魔法などほとんど所得していなかった。
 また、周りのプレイヤーも同様だろう。
 折しも、スケルトンの群に囲まれ、絶対絶命。

 包帯で傷を癒そうとするも、毒によるダメージと、周りのスケルトンの攻撃により、どんどん体力は消耗していく。

 こ、ここまでか……。

 そう思って、観念した所に、救いの魔法が!(涙)
 解毒の魔法で毒が癒され、ついで掛けられた癒しの魔法が、体力を回復させる。

 近くで戦っていた冒険者が、助けてくれたのだ!

「thx!」
 とお礼を打ち込んだ後、その冒険者の名前を見てみれば……。
 うお、見知った名前だ。

TeraDora
 ……だったかな?
 見覚えのある名前。

 『UO』以前にプレイしていた、『LIFE STORM』。
 その『LS』で繁栄していた、”まぐろや”というギルドのメンバーだ(笑)。

 ”まぐろや”自体とは縁がなかったものの。
 ”まぐろや”に所属している「おのろけひめ」さんや、”まぐろや”と関係深い”鋼の団”とは、付き合いがあった。

 確かめてみれば、やはり、その通りだった。
 奇妙な縁に感謝しつつ、同じ戦場で汗を流す。

 この恩を返そうと、彼のHPを常に注意するが、まったく危なげの無い様子で、狩りを続けていた。
 うーん、すでにかなり成長している模様。


 そして、一旦、「デルシア」に撤退。
 稼ぎはほどほどだが、ボーンアーマーをいくつか手に入れることができたし、剣術を磨けたので良しとする。

 いくばくかのお金を手に、魔法屋へ。
 ここで、魔術Skillをならい、Magery30ほどにする。
 そして、Mageryの修行もはじめる。


 ある程度の秘薬を手に、魔法と動物調教、そしてBardSkillの鍛錬をしばし行う。

 そして再び、骸骨砦へ。
 今度は、ボーンアーマーは二の次ぎ。
 この骸骨砦でspawnするスネークを調教して、Skillを磨くのが目的だ。

 スケルトンを切り伏せ、傷ついた傷を包帯で癒し、やっかいなモンスターを扇動で同士討ちさせ、そしてスネークを調教する。
 傷ついた者を見掛ければ、包帯で癒してあげたりもする。

 そうこうするうちに、ちょっとした知り合いも出来ていく。

 その知り合いのひとりに、「KENSIROU」さんが居た。
 彼の傍らには、「RAOH」さんも。
 ……北斗の拳……(笑)。

 Looterを追い掛けたりと、なにやら血気盛んな所があると思っていたのだが……。
 後に、YamatoでWarを楽しんでいる「KRS」というギルドに所属している人だと教えられた。
 「KRS」……Bajaでの「LLF」であり、Yamatoでは「ScV」と同盟したり、戦争したりと、有数のギルドだ。

 Yamatoで、Warキャラを育てている……って言ったら。
 なんか困ったことがあったら、言ってくれ……!と言われて、嬉しくなる(^^

 いつかは、Yamatoで会えることもあるかもしれない。

 良い意味で、気持ちの良い人だった。


 そうこうするうち、骸骨砦の北東に、蛇人間アヴェンジャーが流れついてきた。
 傷ついた身体であるものの、その攻撃力は、『UO』で指折りのモノ。
 犠牲者が何人か出る。

 私が扇動で引きつけ……骸骨砦から蛇人間を離す。
 そこら中にいるモンスターや動物たちをけしかけるものの、あと一歩のところで倒せない。

 いつの間にかに森の中で引っかかり、身動きの取れなくなる蛇人間。

 とりあえず一息ついて、デルシアへ帰還。
 魔法屋に、「ファイアーフィールド」の魔法が売っているのを見て、即座に購入。

 とって引き返し、身動きのとれない蛇人間を焼き殺す(笑)。
 色々なモンスターからLootしていたのか、合計1000gpほどの財宝を抱えていて、ホクホク(^^


 頃合いは良し……と。
 骸骨砦から、パプアの街へと移動。
 旧世界へと帰還。
 ムーンゲートを利用し、懐かしのブリテインへ。

 ここで武装を整える。
 そして、ブリテイン北にある、初心者ダンジョン「ディスパイス」へ突入。

 ここの宝箱には、高位の魔法のスクロールが埋もれている。
 それを目当てに、トレジャーハント。

 こういった所でしか、高位の魔法は手に入らないのだ。
 ダンジョンなどでスクロールを手に入れたPCたちが、魔術の修行をして、新たなスクロールを生み出し、市場へと流す。


 ディスパイスへ到着。
 群れなすモンスターたちを、Tameしたり、扇動したりと対処し、じわりじわりと、ダンジョン深奥へと進行。
 いろいろと宝箱を調べてみるものの……ほとんどが空。

 やはり、ベテランプレイヤーによる決死隊が、すでにディスパイスの財宝を手に入れてしまったのだろうか?

 いくつか、鍵の掛かったままの宝箱を発見し、中身を漁ってみるモノの……。
 高位の8thスクロールは、ヒトツとして発見できなかった。

 どうやら、熟練者が、8thスクロールが入っている宝箱の位置を知っていて、すでにそれだけをかすめとって行ってしまったようだ。
 まれに残された鍵付き宝箱の中身は、どれも、クズアイテムばかり。

 くううそおおお〜(涙)。

 ディスパイス深奥でspawnする赤Mageたちを扇動で倒し、「KAORU」の呪文書に掛けた魔法を埋めていく。
 かなりの財宝を手に入れていたので、一旦、ブリテインへ帰還。
 当分の秘薬代には充分すぎるほどの金額だ。


 ブリテイン1stBANK……。
 『UO』で一番、人が集まる場所。
 商売目的に訪れる者、それを目当てにした客、そしてスリ。
 また、情報を求めて訪れる者も……。

 このBANKの周りで、すでに高位の魔法を練習しているPCを見掛ける。
 そのうちのひとりが、MarkRuneを売っていた。
 そのRuneStoneがあれば、記憶している場所に、リコールの魔法で瞬時に移動できるというモノ。

 これを、200gpほどで購入する。
 ……ちなみに、これを売ってくれた人の名前は……。

Komuro Tetuya

 ………。
 Asukaで悪名を馳せている、ギルド「ファントム ナイツ」。
 そのギルドのHokuto支部は、メンバー全員、芸能人の名前にするという、奇妙な計画があると人からきいたことがある。

 BANKには掲示板があり。
 そこでは、PKに掛けられた懸賞金を、高額順に並べられているのだ。
 その賞金掲示板を、彼らメンバーの名前……芸能人の名前で埋め、ヒットチャート表にしようという目論みらしい。

 ……呆れを通り越して、感動すら覚える(@@;

 本人に確認してみたら、案の定、そうだった。

 楽しそうに笑う、「Komuro Tetuya」氏。

 PCを殺すPKってのには……怒りを覚えることがあるものの。
 彼らは彼らで、『UO』を楽しんでいるんだろうなあ。


 ブリテインに帰り着いたのも良い機会なんで。
 しばらく、魔法修行に励む。
 ……そうこうするうち、自分でもMarkRuneを作れる魔力が身に付いた。
 う〜ん、Rune、買って損したなあ(笑)。

 Asukaで私が所属しているギルド「PAF」のメンバー「Kiriko」さん。
 彼女も、Hokutoで遊んでいるらしい。
 彼女から焼き魚を大量に購入し、食事に困ることは無くなった(^^


 すでに、深夜。
 眠さもピークであるものの、時を惜しみ、ふたたびディスパイスへ。

 この時、鍵付き宝箱の中から、いくつかのレアアイテムを入手。
 ……っていっても、まったく役に立たない、コレクター品(笑)。

 ディスパイス最深奥のRuneも作り、ブリテインとディスパイスを行き来すること数回。

 かなりのSkill、お金を手に入れてホクホク。
 ……しかし、油断して、モンスターの群に囲まれ、あえなく討ち死に(笑)。

 ゴーストのまま、ブリテインへと急ぐ道すがら。
 ブリテインの北にある墓場に……大量のPCが集結していた。

 彼らは、武装こそバラバラであるものの。
 ひとつの点が、共通していた。

 彼らの名前は、すべて、「ken」だった……。

 ……Hokutoの……ken?(爆笑)

 十人くらい居たと思う。
 その半分以上が、赤Name……殺人者であった。

 墓場の周囲には、PCの死体が散乱していた。
 ……ううむ、どっかのPKギルドが、Hokutoに遊びに来て、集団PKを行っている模様。


 やれやれと苦笑しつつ、ブリテインで復活。

 装備を調えた頃には、朝になっていた。
 まったく睡眠を取らないまま、へろへろになって出勤(笑)。

 これぞまさしく、「UO廃人」だよなあ(^^;>私




   1999年01月24日。

 休憩時間を利用し、数時間ばかり、家に戻る。
 ……で、『UO』(笑)。

 動物調教Skillも、いよいよ、90代に。
 Mageryもかなり上がってきた。
 音楽演奏と扇動Skillも、80代半ば。

 結構、育ってきた……。
 ふたたび、勤め先に戻る際に、街中でMacroをセット。
 『UO』を自動運転させて、キャラクターを強くさせるという行為だ。

 ……時間を惜しんで、身体に身につけた鎧を、BANKにしまっておかなかったことを……。
 つぎの日、悔やむことになる。




   1999年01月25日。

 仕事を終え、家に帰り着き、パソコンのモニターを付ける。
 ……どれどれ、Macroの成果はどんなものかな?
 「KAORU」は、どれだけ成長しているだろう?

 ……しかし、目の前に現れたのは、灰色の世界。

 ………。

 ぐああああ、死んでるううっ(涙)。

 Macro中、何者かにコロされ、身につけた防具を奪われたらしい。
 ……たった、数百gpのために殺されるとは……(涙)。

 殺人者の名前は、「Mr Newbie」。

 ……きっと、捨てキャラだな(涙)。
 いちおう、賞金を 1gp掛けておく。

 見掛けたら、絶対ブチ殺すぅっ(号泣)。


 気を取り直し、装備を整える。
 ……で、やっぱり、ディスパイス最深奥へ。

 ここで出会うモンスター、小動物たちを調教すれば、動物調教Skillは最大にすることも可能です。
 ……時間はかかるものの。

 また、ここでspawnする赤Mageを倒せば、金銭と魔法のscroll、そして少々の秘薬が手に入る。

 そして、一定時間で出現する宝箱を開ければ、かなりのお金が手に入るのです。

 ここへ通い、地道に、「KAORU」の力を強化させていきます。


 また、ディスパイス通いに疲れたら、ロストランドの骸骨砦でスネークをTameしたり。
 やはりロストランドのパプア近くにある沼地で、大カエルをTameしてSkillUP。
 着実に、動物調教Skillを上昇させていく。


 『LIFE STORM』時代からの仲間であり、「Baja」、「Asuka」でも仲間であった「にゃ」さん。
 「にゃ」さんも、この「Hokuto」で遊んでいました。
 ……しかも、私の「KAORU」とほとんど同じSkill構成。
 さらにさらに、「にゃ」さんは物凄い凝り性。

 私は、「Hokuto」のスタートダッシュに遅れ、「にゃ」さんに開かれてしまった差を縮めよう奮闘しましたが……。
 結局、差はほとんど縮まらなかった(^^;

 この日、「にゃ」さんは、「Hokuto」でWhiteWyrmを従えることに成功する。

 うあーん、先を越されたああ(涙)。

 「にゃ」さんに、Ice Dungeon内にたまるモンスター達を、ペットのWhiteWrymに駆逐させて。
 モンスターたちが少なくなった所に、私が突入。
 私と「にゃ」さんの分のMarkRuneを作成。

 くうう、愛しのWhiteWrym……そう遠くない内に、ペットにしてあげるからねえっ!(号泣)


 「にゃ」さんとの差を少しでも埋めようと、眠い目をしばしばさせつつ、ディスパイスでTame、Tame、Tame!
 今夜中には、WhiteWrymを調教できるSkillまで上昇させてみせる……!
 と奮闘するものの、眠さがピークへと高まる。

 集中力を失い、惰性でプレイを続ける。

 ディスパイス最深奥で、何体かの動物やモンスターにまとわりつかれた状態で、Tame。
 そのとき、近くを通りかかったPCが、おもむろに

「Corp Por」

 聞き慣れた呪文。
 6thの攻撃魔法、エナジーボルトの呪文だ。

 うーん……もしかしたら、PK?
 いや、名前は青いしなあ……。

 また、PKだったとしても、攻撃されてから逃げれば良いや。

 体力は、まだあるし……。
 ……って。
 30しか、HPないやんっ。
 眠くて眠くて、包帯巻くの忘れてた(^^;

 ……う〜ん、やばいかな?

 糸くずのようなグラフィック……エナジーボルトが、「KAORU」の身体に突き刺さる。

 やば、ものほんのPKじゃんっ。
 逃げねば。

 と思ったら……灰色の世界(^^;
 一撃で30以上のダメージでした(^^;;;

 このPKの名前は……忘れました。
 確か、「G〜」なんとかって名前。

 ……でも、これははっきり言って自業自得。

 HP30の状態で、近くに見知らぬPCが攻撃魔法の詠唱を唱えたら、逃げるべき。
 っていうか、HP30の状態……瀕死の状態を、見知らぬ人間にさらすこと自体が、罪。

 眠さ爆裂の状態で、『UO』をすべきではないっていう、良い教訓になりました。
 これを機会に、この夜は眠ることに決定。

 たまたま、出会ったPCに、7thの魔法ゲートトラベルを使ってもらい、一瞬で街に帰還。
 その街の名前は……ヴェスパー。
 水の都。

 このBANKで、Macroを組んで睡眠。

 ……やっぱ、『UO』は、万全の状態でプレイすべきですね(^^;




   1999年01月26日。

 朝、目覚めて、昨夜に組んだMacroを確認。
 ……うん、ダイジョブだ。
 殺されることもなく、確実に成長していた。

 で。
 朝っぱらから、『UO』(笑)。

 馴染みのディスパイスで、動物調教Skillを磨き上げる。
 かなり上がりにくくなってきたので、場所を変え、ロストランドへ。

 新都市パプアに北にある一帯で、火吹きトカゲと、大カエル相手にSkill UP。

 昼の定期サーバーダウンが訪れる頃には、とうとう、動物調教Skillは98.6にまで成長していた。
 WhiteWrymの調教に挑戦できるようになるSkillは、97.6。

 サーバーアップ後、駄目元でIce Dungeonへ。
 ……しかし、龍の巣に、WhiteWrymの姿は、無い。

 spawn遅れてるのかな?
 それとも、誰かが使役しているのだろうか?

 テクテクと、Ice Dungeonを探索。
 これまた、馴染みのデーモン部屋に到着。

 お、居た居た。
 WhiteWrymと、それを使役するTamer。

 そのTamerの名は……「SHO-TA」。
 ……おおお、「SHO-TA」さんやんっ(^^

 AsukaでのTamer仲間と、Hokutoで出会う。
 男っぽい名前ながらも、なぜか女キャラ(^^;

 Asukaで、龍の巣で立ち話している際、Hokutoの話題になって……。
 Hokutoで、「SHO-TA」さんも遊ぶつもりだって言っていたけれど……。
 また、同じTamerとして、ここで会えるとは(^^

 ……しかも、すでにGMTamer。
 さらに、BardSkillを所得しているそうな。

 ……動物調教師 兼 吟遊詩人って、結構はやってる?(笑)

 しばし話し込んだ後、別れて。
 地道に、IceDungeonで稼いでいると……WhiteWrym Spawn!

 よっしゃ、調教に挑戦だ!

 ……数分の格闘の末、WhiteWyrmを従えることに成功!

 Skill差が1.0しか無かったから、無理かと思っていたんだけど……。
 結構、あっさりと成功。

 ……Asukaで、はじめてWWをTameすることができた次くらいに、嬉しい出来事だった(^^


 WhiteWrymをペットにできてしまえば、もう、こっちのもの。
 WWを使役し、Ice Dungeonのモンスターたちを駆逐。
 30分もしないうちに、鞄は、抱えきれないほどの財宝で埋め尽くされる。

 WWをTame、他のモンスターを駆逐、WWをDungeonから出して厩舎に預ける。

 ……これを繰り返し、みるみる、所持金が増えていく。

 Hokuto開始から、すでに四日目。
 ようやく、Asukaと同じくらいのペースで、お金稼ぎをすることができるようになりました(^^




   1999年01月27日。

 HokutoOpenから、五日目。

 お金にも余裕があり、偶然にもHokutoで出会った、『LIFE STORM』以前からの知り合い、「RUIN」教授……のキャラクターの「Kaede」さんに5000gpほど貸したり。
 前述した、PAFの仲間の「Kiriko」さんに呪文書を貸したりする。

 お金稼ぎのために、Ice Dungeonへ潜る。
 龍の巣で、AsukaでのTamer仲間の「Wolla」さんと再会する。
 「Wolla」さんも、Hokutoでの生活、結構順調なようだ。

 「Wolla」さんも、Hokutoは遊びだっていっていた。
 とりあえず、GMtamerを作成しておく……ってのが目的だそうな。
 ……ちなみに、WakokuでもGMtamerを作っておいているらしい。

 この点から考えるに、tamerだけでなく、戦闘キャラも育成しているAsukaが、「Wolla」さんのメインサーバーなのかな?


 何頭か、WhiteWrymをTameし、使役し、のちに厩舎へと預ける。
 まれに、Windの街近くにSpawnする、Dragonの調教にも足を向ける。

 Hokutoでの生活も、パターンが決まってきたなあ……。
 やることは、Asukaと同じようになってきた。

 ……ならば、Hokutoでやるより、Asukaでプレイしたほうが良い。
 Asukaでやり残したことは、多いのだから。


 所持金に余裕が出てきたので、小さな家を購入。
 権利書を買った直後、シーフが走り寄ってきたが、馬を駆けて、難なくやり過ごす。

 トリンシックの森の中……。
 近所に、他の家を建てられないような木々の間に、ひっそりと家を建築。

 Windからつれてきた、牡牛を三頭、飼う。
 ……それ以外は、これといった家具の無い、簡素な風景。

 この牡牛を利用して、動物調教Skillを上昇させる。
 苦もなく、GMを達成。

 AsukaOpen時よりも、Skillの上昇が遅い。
 ……プレイしている人間に、ベテランが多いため、すでに、Skill上昇は落ち着いてきたようだ。

 武器戦闘キャラを育成する計画だったのだけれども。
 苦労しそうなんで、計画を破棄。

 いろいろとやり残しているAsukaに、そろそろ帰ろうと決断する。


 Ice Dungeonで、もう一稼ぎしようかと、パプアのBANKに訪れた際。
 骸骨砦で知り合った、「KENSIROU」さんと再会。

 「KENSIROU」さんも、Hokutoは遊びだ。
 彼……いや、正確には彼女の戻る場所は、Yamatoの戦乱の中にある。

 私が、そろそろ、Hokutoから去ることを告げると、寂しがってくれた。

 「KENSIROU」さんも、そろそろHokutoから撤退する考えらしい。

「Hokutoを辞める前に、PKしまくろうかなあ」

 ……ここら辺が、対人戦好きの人間らしいなあ(^^;;;


 Ice Dungeonの龍の巣で、「SHO-TA」さんと再会。
 ……どうやら、「SHO-TA」さんは「Hokuto」に住み着くかもしれないようだ。

「この子(キャラクター)、気にいってるし……」

 そうなのか〜……。
 昼間も、結構出会えて。
 話し込んだりして、楽しかったんだけどなあ。

 ……寂しいね。


 『LIFE STORM』の頃からの仲間、「にゃ」さんは、しばらく、「Hokuto」に居着く予定だとか。
 「Asuka」のキャラクターが成長しきるまで、「Hokuto」で遊ぶつもりだそうで。


 ……また、私が 1月に所属した、ギルド「PAF」。
 この「PAF」のメンバーの中にも、完全に「Hokuto」へと移住するメンバーも数人いる模様。


 新サーバー「Hokuto」が出来て。
 新しく知り合えた人も居れば、別れる人もでてきてしまった。

 サーバーが違えば、出会うことも少なくなってしまうだろう……。

 『UO』を辞める人も見掛ける。
 それと相まって、寂しくなってしまった。

 永遠に続くゲームなんて、無い。
 そして、そのゲームによる出会い、縁も、永遠では無いわけで。

 ……まあ、ネットゲームを続けていけば、また、きっと出会える……って、そういう楽しみもあるけれど。

「シーユーアゲイン」(また会いましょう)
 ……UO内ではこれを略し、「cya」。

 そんな風に、一見軽い、別れの言葉。

「cya」

 ……この言葉に、様々な思いを込めて。


● HokutoのKAORU-BlueRose(1999年02月05日のデータ) ●



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