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24.04/14(日)07:45宣戦布告開始

いよいよ、グランドバトル最終日。
順位は確定してしまったが、我らひま星は、それでも最後まで戦い抜く方針を崩さない。

ひま星の方針は、中央のアイン神殿の攻略。
他の領土を奪われることは覚悟のうえでの、一点集中の攻勢であった。

初日の大敗北からはぐメタとの正面衝突を避けてきたが、最後こそもう一度と王者へ挑む。

はぐメタのアイン神殿、そして南方面の教会ラピス、アメトへの宣戦布告。
ひま星は、はぐメタに対してのみ宣戦布告し、全面的な攻勢を宣言するのであった。

対するはぐメタも、ひま星の北東イエソド城、南東マルクト城、そしてスパファミの北西テファレト城への宣戦布告。
王者としての風格を見せつけようと、中央5拠点の制覇を目指す。


スパファミは、星降る丘のルラ、ひま星の北東教会ファリア、シトリへ。

星降る丘は、スパファミの北西教会ガネットと北教会クシェルに宣戦布告。


こうして、最後の日の戦いへと、気運は高まっていった。

全体マップ

24.04/14(日)20:45開戦

ひま星の作戦方針としては、宣戦布告されたマルクト城、ファリア、シトリは放棄。
はぐメタからの戦力分散を期待し、同じく布告されているイエソド城に事前防衛の部隊を配置。

リアルタイム参加者の人数次第では、アイン神殿を早落としして防衛に専念する考えもあった。
しかし何度か早落としによる不意打ちを成功させてきていたため、それをはぐメタが警戒したのか、アイン神殿には多くの防衛戦力が待ち構えていた。

出し惜しみは無しだ、とばかりに開戦直後の20:47、
事前防衛を敷いたひま星のイエソド城に、はぐメタの攻撃がはじまった。

対するひま星も、はぐれメタル支配下のアイン神殿への攻撃を開始。
削っても削っても補充されていく戦力。
はぐメタがこの中央を守り切ろうとする構えを隠さなかった。


……段々と激化していく戦いに気を取られ、はぐメタ以外の敵勢力の動向を記録できていなかった。

周囲の状況を結果から書き記していくと、

スパファミは、ひま星領地のファリア、シトリを障害無く占領。

星降る丘は、スパファミから布告のあったルラを守り切り、スパファミ領土のガネット、クシェルの奪取に成功。

スパファミは、はぐメタから宣戦布告のあったテファレト城の防衛にも大きな警戒をしていたと予想される。


そしてアイン神殿の攻防。

攻めはじめた当初は、アイン神殿占領後の防衛時間も意識していた。
そのため、本格的な戦力投入は21:10との指示があったが、削ろうにもすぐ補充される防衛戦力。


……『メメントモリ』のギルドには、最大で50名のプレイヤーが所属することが出来る。
数十名のプレイヤーたちが、何週間、何ヶ月も掛け、手塩に掛けて育てあげた魔女たちが、毎夜激突する。

魔女たちによるひとつの戦闘。
サーバー上で費やされる時間は、およそ1秒。
その1秒の間に、どのような戦闘が繰り広げられたかが計算され、結果だけが無慈悲にはじきだされていく。

デジタルな勝敗の表示に、数十名のプレイヤーが一喜一憂する。


いよいよ激化するアイン神殿の攻防の最中。

宣戦布告していたはぐメタのアメトとラピスに、ひま星は攻撃を開始する。
ひま星からの攻撃を警戒していたはぐメタは、両地に60前後の部隊を配置していた。

その中には１億を超える部隊も配置されていて、１部隊で全て倒しきるには難しい布陣が敷かれていた。

それを、はぐれメタルからの増援を迎える前にひといきで攻略しきったのは、ひま星の最高戦力。
彼の2億を有する、3軍と4軍による部隊での一撃粉砕であった。


……このグランドバトルの記録を残すにあたって、なるべく個人に関することは記さないように努めてきた。
しかし彼の活躍はここでとどまることなく後述することになるため、ここにも特筆することとした。


アメトとラピスの陥落は、はぐメタにとって予想外ではあったと思われるものの、そこまで重要視されるものではなかったであろう。

だんだんと、中央のアイン神殿での攻防が散発的になっていく。
ひま星の攻め手が少なくなっていた証拠である。
これを無駄なく防衛しきって、「次の戦局」をはぐメタは意識していたと予想される。

このアイン神殿を必要な戦力でだけ守りきり、残る余剰戦力で、スパファミのテファレト城への攻撃を敢行する、と。
初日のひま星への快勝を思い出し、襲い来るひま星を払拭し、あわよくばテファレト城を攻略、中央5拠点を制覇してしまおう、と。


21:20。

一時は、アイン神殿の防衛部隊を2にまで減らすことができた瞬間があったものの、適時補充され、ついにひま星の攻め手が止まる。

遅れて駆けつけてくれたプレイヤーも少なくなかったが、迎え撃つはぐれメタルの精鋭たちは容易に崩せない。

アイン神殿に残された防衛戦力は6。
あと一押しとも見て取れるが、億を超えるパーティーも防衛に控えていて、容易には崩せないだろう。

……刀折れ矢尽きる、とはこのことかと。
戦闘が止まった数秒、戦場の緊迫感が緩んだその瞬間。

ひま星から送り込まれたひとつの部隊が、アイン神殿の防衛を削る。
6、5、4、3……。
止まることなく減っていく数値に、多くのプレイヤーが刮目した。

数値の減少は止まること無く、
21:21。
ついに、ひま星がアイン神殿の攻略に成功した。

つい先ほどアメトとラピスを攻め落とした、ひま星の最高戦力「ノーフェイス」氏のメイン部隊による活躍だった。
彼曰く「もっと早く(部隊を)出したかったけど、我慢してました」と、最後の戦力の投入時期を見計らっていたとのこと。


はぐメタが「次の戦局」を意識していたのを証明するかのように。
このアイン神殿の陥落直後、残っていた部隊のいくつかが、スパファミ領土のテファレト城へ攻め寄せていた。

ひま星も、遅れて駆けつけてくれたメンバーがスパファミに攻め落とされたファリアとシトリへの反撃を試みるも、終戦まで余裕を持って防衛されてしまった。


21:30。

こうしてこの日の、そして今回のグランドバトルの終局が訪れた。

1位のはぐれメタル4.0のシーズン獲得ポイントは「64」。
最終日にアイン神殿とラピス、アメトをひま星に奪われたものの、
ひま星領土のイエソド城、マルクト城を奪い取った。

2位のひま星のシーズン獲得ポイントは「49」。
上記した領土の変動以外では、ファリアとシトリをスパファミに奪われている。
それでも、初日に大敗したはぐメタ相手に一矢報いたとして、意気は高かった。

3位のSPY÷FAMILYは、「31」ポイント。
星降る丘にガネットとクシェルを奪われていたものの、ひま星からラピス、アメトを奪取している。

4位の星降る丘は「20」ポイント。
ルラの1拠点から、ガネットとクシェルの奪取に成功していた。

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