2005.07/01……『やるきばこ』とか、『おとボク』から離れがたい気持ちとか

2005.07/15……『やるきばこ』一通りクリアー。嵩夜あやってシナリオライターの話とか。『遊戯王online』

2005.08/02……月とマリア様だけが、私たちを見ていた (『マリア様がみてる』)

2005.08/30……その世界は、未だに終わらず (『FF11』)
 2005.07/01……『やるきばこ』とか、『おとボク』から離れがたい気持ちとか
 キャラメルBOXのファンディスク『やるき箱』の『処女はお姉さまに恋してる(以下・「おとボク」)』シナリオをやりました。
 他のカードゲームとか別ゲームのショートシナリオとか、新規書き下ろしのノベルゲームとかは、暇見てやるつもり。

 色々と酷評も多いようだけれど、『おとボク』の追加シナリオはなかなか良かったです。

 まりやと貴子の喧嘩で兎の話が出てニヤリとしたり。
 まりやが、やっぱり君枝の印象がいまひとつで、あろうことか「デコメガネ」とか酷評したり。
 なんかちょっと悔しいですが、一子の変身シーンでは笑ってしまったw

 ただ、やっぱり全般的にちょっと物足りないですね……。
 欲を言えば、というかよく言われているようですが、シナリオライターさんは新規ノベルゲームも手掛けていたのですが、それに割いた手間を、この『おとボク』追加シナリオに注ぎ込んでくれたらなあ、と。

 このファンディスクが、『おとボク』の最後になってしまうのかな、と思うと寂しいです。

 『おとボク』の設定って、なんか私のツボにはまっちゃったんですよね。
 前にもチロッと書いたけれど、女装しての女子校潜入物ってのは、どうも「ありえね〜」て気持ちのほうが強くて純粋に楽しめなかったのだけれど。
 この『おとボク』って作品は、キャラの良さとその雰囲気に惹かれて、とても楽しめてしまいました。

 『マリア様がみてる』が流行って、一ジャンルにまでのし上がった百合物……百合といってもソフト的な物だけれど。
 レズとかそのものずばりってのは……まあ、嫌いではないけれど、“百合っぽい感じ”の空気が、妙に読んでいて気持ち良い。
 そんな華やかな学生生活の中に、男性の主人公が混ざろうとする様子が読んでいて面白かったのかも知れません。

   ……いま読み直して思いついたのですが、「少女小説的な百合物」って表現が、なんか合う感じ(笑)

 いわゆる女装する主人公っていうと、格好良すぎたり、可愛すぎたりするものだけれど。
 この『おとボク』の主人公、鏑木瑞穂(本編では宮小路の偽名)は、確かに格好良くて、なおかつ可愛くて頭もいいのだけれど。
 ……どこか頼りない所があったり、いまの自分の状況に苦しんだり悩んだりする様が好感持てて好きになれまっす。

 あとは、この主人公を囲むキャラクター達が魅力的で。
 本編では語られていないものの、それらを匂わせるような文章が多々見られて、創作意欲を掻き立てられます。

 小説を書くということが億劫になっていた自分に、書く意欲をわかせてくれたことは本当にありがたいことでした。


 ……このまま終わらせてしまうのは惜しい。

 それは、『おとボク』のオフィシャル的なことでもだけれど、自分内部でも終わらせるのが惜しい。
 離れがたい、というか……。

 っちゅうことで、つぎに書く小説も、『おとボク』の二次創作になるかもしれません。
 いま現在、ちくちくとアイデア出し中。
 とはいえ、ああ、こりゃ無理だなと思ったらスッパリ止めます。

 なにせめちゃくちゃ長くなりそうだし……。
 救いと言えば、『おとボク』から人が離れたとしても、“ソレ”が完成すれば本編を知らなくても充分に楽しめるということ。
 本編を知っていれば尚いっそう楽しめるものの、本編を知らなくても“女子校潜入物”として最初から楽しめます。

 なにしろ、主人公の転校時から始まる話なので、まさに“最初っから”、といった感じに。
 『間奏曲』が本編へのラブレターなら、『ラストカーニバル』は正統派的二次創作、そしていま考えているのは本編への“挑戦状”。

 連載物という形態にはもういい加減こりてしまったので、掲載することが出来たとしても、書き終わってからになると思います。
 なにせ長い物になりそうなので、こう、忘れられた頃にひっそりと……w

 ……繰り返しますが、途中で挫折するかもしれまっせん。
 まあ、マイペースにのんびりと。
 たとえ途中で止めたとしても、それは後々の良い勉強になりそうなので、地道にチクチクやっていきます。



 2005.07/15……『やるきばこ』一通りクリアー。嵩夜あやってシナリオライターの話とか。『遊戯王online』
 どっかに書いた気もしますが、最低ひとつき毎には日記を更新していく予定です。
 毎月の一日前後か、十六日前後。
 出来れば半月毎が良いかも知れませんが、やっぱり日記をこまめに更新していくより、小説を書いて掲載できたほうがいいでしょうし。

 タカタカと赴くままにキーボードを叩くのは、私にとって快感であり、ストレス解消であります。
 とはいえ、こういった日記をうまく書くには才能が必要であり、面白くするには努力や下準備も必要だと思うのです。
 でまあ、その両方を持ち合わせていない自分としては、日記サイトとして頑張るつもりもないわけで……。

 昔の自サイトの日記なんかを読み直したとき、結構楽しめたりしますが。
 才能はないものの面白く読ませようとする努力と書き込む時間があったからだと思うわけです。

 あいにく、日記を面白くしようと頑張るぐらいなら、少しでも他のことに注力したいと考えるようになった昨今、あまり力は入れたくないのが本音っす(笑)。


 五月から職場が変わり、以前よりだいぶ忙しくなったのですが、それでも人はそういった環境になれていくものです。
 身体もなれ心もなれ、趣味に時間を使えるような余裕も出てきました。

 なんっちゅうか、時間がありあまっていた時よりも、時間が足りないときのほうが趣味の時間を大切にすることが出来て、色々集中できるような気がします。
 困ったもので、時間が余っていたときになんでやらなかったんだよー、とか嘆きつつも、現状の中で頑張ろうと努力するほうが良い時間を過ごすことが出来るってわけであります。

 いずれは、食えるだけの金とあるていどの貯金が出来る程度に稼ぎ、それなりに仕事をこなして、色々趣味に時間を費やしたいと思っているのですが……。
 そんな風に大量に時間を手に入れたとしても、使いこなせないような気がします(笑)。



 なにはともあれ、『ラストカーニバル』を書き終えた後にやりはじめたオフラインゲーム『Metal Saga』をクリア。

 人にお薦めしたい作品ではある物の、それを文章にするのに結構体力を使いそうなので紹介はパス(笑)。
 なんかもう、ひさびさのオフラインRPGって感じで、素直に楽しむことが出来ました。

 過去のシリーズ作品、『METAL MAX』を知っている人向けにリメイク アンド アレンジって感じで、過去を懐かしみつつもこの新作での新たな挑戦を楽しむことが出来て、なかなか有意義な時間を過ごすことが出来ました。

 荒野や廃墟を探索し、過去の遺産である兵器……戦車を見つけ出し、それをチューンナップしつつ乗り回して賞金首たちを追いかける……とか。
 そんな世界に興味がある方は、是非。



 それと、『やるきばこ』も一通りクリアー。

 『おとボク』に関しては前回分の日記に記述してあるのでパスとして。
 『きゃらばと』っていうカードゲームが、おまけにしては結構作り込まれていた楽しめました。

 やっぱこう、ちくちくと物を集めたりするゲームは、日本人向けで私自身にもよく合うな〜っと、実感しました。
 CPUとの対戦カードゲームで、いままで『キャラメルBOX』の作品に登場したキャラクターを使った各カードを用いて戦います。
 んで、CPUに勝ったら五枚、負けても三枚、カードを入手することが出来て、そのカードにもそれぞれ特殊な能力や、手に入るRare率などが設定されていて、収集意欲を掻き立てるものとなっています。

 対戦するCPUも以前の作品の登場キャラらしく、そのCPUたちが使うカードにも色々特徴があって、たとえば『おとボク』のキャラである厳島貴子なんかは自身の出演作である『おとボク』のキャラクターカードをメインに使って戦ってきます。
 宮小路瑞穂、十条紫苑、御門まりや、厳島貴子。
 このメイン主人公達のカードの出現率は低いものの、それだけあって能力は高く、自分のカードに組み込んで愛用させていただきました。


 ちょっと脱線しますが、この『きゃらばと』をやって、以前やっていたネット対戦ゲーム『遊戯王online』を思い出しました。

 プレイ人口の多さ、カードの多さでは日本で一番流行っているカードゲームだと思います。
 実際かなり面白くて、βの時は自分もやり込んでたんですよね。

 なによりも、対戦相手を見つけるのも容易で、プレイ時間も少なくて済む。
 ちょうど仕事が忙しくなりはじめた時期に出会ったので、毎日少ない余暇の中でも楽しむことが出来て、やり込むことが出来ました。

 βテストも終わり、正式サービススタートということで期待していたのですが……。
 プレイ料金がたけえええええええ。
 本気でやり込むのなら、世界の名だたるネットゲームの中でいっちばん、そりゃもうダントツで金が掛かります(笑)。

 ランキング上位のプレイヤーなんかは、そりゃもう、月数万の世界なんじゃないでしょうか……。

 かなり面白いネットゲームであり、お手軽に短時間で楽しめるカードゲームだったので好きだったのですが、K●NAMIの悪徳商法っぷりを前にして拒絶。
 いつか安くならないかな〜と思いつつ、たまーにログインして状況を見るぐらいっす。

 βの時は世界で数千人のプレイヤーがいたっていうのに、いまじゃあ一番人が集まる時間で千人以下。
 しかも対戦するのに金が掛かるので、その千人が常時戦いまくってるというとそうでもない。
 国別のサーバーがいくつかあるものの大半は閑古鳥が鳴っていて、アメリカと日本の2サーバーに世界のプレイヤーが集中している有様。

 実際にこのゲームを制作して、バージョンアップを続けている制作者たちは頑張っているようなのだけれど、料金体制がなによりもネックなんですよね。
 てことでまあ、定額制でも導入されない限りは、ひやかしでログインする程度に生暖かく見守っております(笑)。

 かなり楽しいのにな〜、ほんっと残念だ。
 課金体制の失敗というのは、ネットゲームのVERUPが手抜きされるよりも最悪なんだと思います。


 ……で、戻して、『やるきばこ』の話。

 『シャマナシャマナ』の追加シナリオ。
 この作品自体はプレイしてなくて、体験版も手にしていなかったのですが、設定やキャラ紹介など丁寧に書き込んでいたので楽しむことが出来ました。

 っていうか、この追加シナリオのヒロインであるラビってキャラ、本作では脇役なんですかっ!!??
 実際にHPで見てみれば、最初のページで主人公と各ヒロインたちを囲んだタイトル画があるんですが、このラビってキャラがいねー(笑)。

 キャラ紹介を見てみれば、そりゃもう脇役って感じの位置に配置されている。
 こんなにかっちょよくて美味しいキャラなのに、脇役なのかー。

 まあでも、人気が出たから追加シナリオでヒロイン張れたんだろうなあ、と思いつつプレイ。

 本作は魔法学園物、なのだろうか?
 設定とか、いろいろ刺激するものがあって楽しめたので、いつかはプレイしてみたいと思いつつ、読了。

 設定やキャラはかなり興味をそそるものの、シナリオ自体は……ちょっと普通だったかなーといった印象。


 ほいで最後に、『月踊亭にて』。
 『おとボク』のシナリオを担当した、嵩夜あやって方の新しい物語。

 ……正直、全然期待してなかったんですが、かなり楽しめました。
 ああ、っていうかこう、私の文章……いや、手癖で書いているような、適当にキーボードを叩いて文章たかたか打っていると、「かなり」、「結構」、「それなりに」「ちょっと」、「あまり」、「なかなか」とかいう表現が多すぎてイヤになっちゃいますね(笑)。

 まあ小説でもないし、それほど意識せず、あまり推敲もせずに日記を書いていますが、そこら辺はご容赦を。


 で、『月踊亭』。
 『おとボク』のシナリオ状況から見て、嵩夜あやって人物にはあまり興味は抱いてなかったんですよね。
 『おとボク』のシナリオ自体、語れるようなことも少なく、作り込みもあまりなく、あの世界を盛り上げているのはやはりキャラクターなのだなあ、と思っていたんです。

 で、この『月踊亭』をプレイしてみて気付かされたのですが、嵩夜あやって人物の力も大きかったのだなあ、と思い直すことが出来ました。
 この嵩夜って人、世界を構築するという力では、かなりの実力の持ち主のようですね。
 世界……というか、その作品に漂う空気、雰囲気をしっかりと作り込める人。

 ただ、『おとボク』もそうだし『月踊亭』もそうなのですが、シナリオ関係での作り込みが明らかに足りねえぇぇ。
 こう、なんちゅうか……痒い所を作って、プレイヤーにヤキモキさせるものの、その痒い所をちょっと掻いただけで終わらせてしまうような……。
 あともうちょっと、しっかりと見せて欲しいのに、見せないでそのまま終わらせてしまうような……。

 二次創作を書く側にしてみれば良い素材って感じになってしまうんですが、普通のプレイヤー視点からしてみれば、痒い所に手が届かず、あともうちょっと突っつけば面白くなりそうなのになあ、と言うふうに不完全燃焼に感じられてしまい、いまいち感が残ってしまうように思えます。

 両作品もそうなんですが、終わった後には「もったいないなあ」といった印象に尽きる。
 特に『月踊亭』は、グラフィックや音楽、そしてなによりシナリオライター自体が作り出した雰囲気は良質なのに、長くもないままに終わってしまった。

 まあなんにせよ、嵩夜あやって人の次作に期待……ってことで。



 あ、そうそう、最後に。
 私自身の創作状況ですが……。

 いま現在、仕事のほうで資格を取らないといけない状況なんで、その勉強に時間を割いたりしてて、まあ……ぼちぼちやってます(笑)。

 もしも書き終えることが出来るなら、生まれてこの方、一番長い話になりそうなので、じっくり準備中。
 繰り返しますが、ああこりゃだめだ、といって破棄する可能性もあります。
 ……長ければ長いほど挫折率は高いです。

 なんにせよ、気長に待っていただけるとありがたいです。
 このサイトは更新頻度が遅いので、これまた繰り返しますが、ひとつきに一回、様子を見に来る程度で大丈夫だと思います。

 実際に作品を掲載する際は、1日と16日にこだわることはないですが、大抵そう言うときは、日記やトップで告知したりもしますので。



 2005.08/02……月とマリア様だけが、私たちを見ていた (TVアニメ版『マリア様がみてる』、第三話ラスト)
 少しずつ読み進めていた、小説版『マリア様がみてる』の既刊を全巻購入、読破しました。
 最新刊は『薔薇のミルフィーユ』、途中のファンブック的な『プレミアムブック』を除外するなら、21冊目になりますね。
 薄目の少女小説という形態だけあって、頭の中で音読している私ですら二時間前後で読み終えるような気軽な長さなので、実際はそれほどでもないかな。

 以前にもチラっと紹介じみたことを書いているわけだし。
 日記自体も半月〜ひとつき程度毎に書いていくと宣言しているわけだし、書く必要もないかな、と思ったのだけれど。
 いま書かなければ、今後書く機会もないかなーっと思って、ちょっとだけこの作品について、私自身の思いを書き連ねていこうかと思います。


 『マリア様がみてる』。
 コバルト文庫での小説版からあり、それがヒットしてテレビアニメ(地上波、全13話)で放映され、それも人気が出て第二部(さらに13話)も放映。
 最近では漫画版も出ていて、最新刊が四巻、といった感じに。

 前記したように小説版はすでに21冊。
 小説版の既刊を全て読み終えて思ったのは、『この今野緒雪って作者、まだまだこのシリーズ終わらせるつもりがねえな!(笑)』という感じでしたw

 エスカレーター式の伝統あるリリアン女学院という女子校が舞台で、高等部の生徒会メンバーたちが中心にあるお話。
 メインである主人公の名前は、福沢祐巳(ゆみ)というごく普通の平凡な一年生で、それが高等部の超有名人であり超お嬢さまの小笠原祥子という二年生の「妹」として選ばれたことから、この物語は始まります。

 物語が始まった当初、祐巳はまだ一年生であり、その姉役である祥子は二年生。
 生徒会を引っ張っている三年生三名も健在で、その誰もが魅力ある人物で、物語に華を添えてくれます。

 永久に同じ時間を繰り返す話ではなく、きちんと月日は流れて季節は巡り、作者自身も惜しみつつ、小説版8冊目にして三年生たちは卒業していってしまいます。
 作者はもちろんのこと、読み手としても、この三年生たちの卒業は勿体ないと思えるものでした。
 主人公の祐巳の「姉」である気むずかしい祥子をも手玉にとる上級生三名。
 魅力あるキャラクターであり、彼女たち「お姉さま」が振りまく華やかさとミステリーが、この『マリア様がみてる』という物語を面白く仕上げていました。

 そして月日は巡り、祐巳は二年生に、姉である祥子は三年生となる。
 リリアン女学院には「姉妹(スール)制度」というものがあり、上級生が下級生のひとりを姉妹として教え導くという、独特の制度がある。
 祐巳と祥子もそれであるわけで、祥子には妹の祐巳の他に、卒業していった三年生に姉がいました。
 そして二年生になった祐巳にも、「妹」を決めなければ、という流れになるわけで……。

 同級生たちが次第に妹を作っていく中、祐巳はもちろん、彼女の親友であり生徒会メンバーである島津由乃も、妹を作れない有様。
 卒業していった先輩たちに妹を作れとせっつかれつつ、妹オークションならぬオーディションまで開いて、妹を作ろうとするふたりだけれど、なかなか妹は作れない。

 そんなある日、祐巳の親友由乃は、姉役の姉役である卒業生から逃げている最中、ひとりの下級生と巡り会う。
 その下級生はリリアンに通う女生徒であるものの、いまだ中等部三年の女の子で、妹にするわけにもいかない。

「三年生になっても妹ができていなかったら、その時は私、彼女を妹にする」

 そう祐巳に宣言する親友・由乃。
 それが20巻で、21巻では由乃とその少女との交流話が書かれていて……「ああ、作者はまだまだ書き続けるつもりなんだなあ」と(笑)。


 いちファンとしては、作者がシリーズを書き続ける意志を見せてくれるというのは嬉しいことなのですが、正直メリハリがなくなって来ているように思えたりもするわけで。
 現在の三年生であり、祐巳の姉役の祥子、由乃の姉役である支倉令というふたりが卒業していった後、どう物語を運んでいくつもりなのだろうかと。
 てっきり、現三年生の卒業に合わせてシリーズも終わるのかと思っていたのですが……こりゃあ、まだまだ続くぞ、と(笑)。


 長い物語を読ませるうえで重要なのは、その先を気にさせることだと思います。
 それはなんらかの伏線であったり、キャラクター自身の魅力であったり。
 特に伏線というものが、昨今の『マリア様〜』には足りなかったり、あるいは消化不良のまま終わらせてしまうことがほとんどだったりするわけです。


 祐巳が二年生となり、生徒会で頑張り、次第に下級生たちから憧れる存在になりはじめている……。
 そんなことを描写するのを助けてくれた、一年生の細川可南子という存在が出ました。
 彼女自身が、一癖ありそうなキャラ設定であり、登場時から次第に張られていく伏線、祐巳との関係がどうなるのかと読み手に期待させておきながら……。
 なんかもう、あっさり+急ぎ足で解決編、といった感じで終了してしまったりして、このままメイン舞台から退場しそうで、もうガックリ(笑)。

 既刊21冊の中で、いろいろな話が出てきています。
 短編集的なお話もあって、「これは!」と思えるような、さすがベテランの小説家、といった感じのキリリと仕上がった面白い話とかもかなーりあるのですが。

 この可南子の説明的で感動のない解決話や、別に無くてもよかったような修学旅行話(17巻一冊)とかもあったりして、最近迷走している感じがあります。

 ……読み手に、続きを気にさせること。
 特にキャラクター設定や、それにまつわる伏線とか(卒業生三人の魅力、藤堂志摩子の謎、可奈子の謎)

 いま現在、読み手のことをいちばん引き付けているのは、祐巳の妹になるかもしれない松平瞳子との関係話であるはずなのに、それをうっちゃって短編話を繰り広げちゃったりして、もうヤキモキ(笑)。

   とはいえ、登場当初は祐巳の敵役wであり、小生意気な下級生としか思えなかった瞳子が、なんとなく可愛くなってくるあたり、うまいナーと思います



 ……こういったことを強く実感できたので、自分が小説を書く際にもそこら辺を考慮できないかなーと思った、ある熱い夏の日の出来事、なんつったりして。


 まあ、なんだかんだ言った所で、既存のキャラクターたちに魅力があるので、よっぽど我慢のならぬ展開にでもならない限り、完結するまで惰性で読み続けるだろうなあ、と思います。
 あまり書くことはないけれど、既刊102冊の『グイン・サーガ』もそんな感じで読み続けてるような気がする。
 グインのほうは、伏線張られまくっていまだに解決されないようなことが多すぎて、もう訳が分からなくなってきたような気もするけれど、まあ、それはそれで。


 なんにせよ、主人公祐巳の平々凡々とした可愛らしさと、趣味に走る写真部・武嶋蔦子の飾らぬ美しさに惹かれる以上、ファンとしては読み続けますよ!ということで、今日はここらへんで、ひとつ。



 2005.08/30……その世界は、未だに終わらず (『FF11』)
 そりゃもう、辞める辞める言っておいて。
 さらに一時期、本格的に引退を考えるほどにアイテム整理をしたりしたものの。
 いまだに、マイペースで、週一〜二回程度のログインでも続けておりまする。>『Final Fantasy XI』

 これまた以前にも書きましたが、ネットゲームっちゅうのは、麻薬ですね。
 ハマればハマるほど実生活に影響を及ぼし、現実よりもオンラインの世界での生活を重要視しちゃったりなんかしたりして、麻薬ぽい。

 やれば面白いのがゲームなんだし、出来れば超暇人以外は、老後の楽しみにでも取っておくのが吉なんでしょうな(笑)。
 ネットゲームにハマったおかげで、Webの創作系サイトが潰れていく様は、そりゃもう何度も何度も見てきました。

 まあ自分も、潰すほどに放置したことが二度(UOとFF11の二度)もあるんで他人のことは言えませんが(汗)。
 最近は、自分なりのペースを見つけて、チクチク遊んで楽しんでいます。>ネットゲーム


 しかしよくよく考えてみれば、ネットゲームをやっているだけなら、毎月そんな金が掛からんわけですなあ。


 いまはもう、『FF11』は外人勢力に半ば覆われています。
 でまあ、その外人の主たるアメリカ人なんかは、ネットゲームはいわばレジャーであり、金を掛けてでも好きなことをやって遊ぶのが当然、といった認識があるらしくて。
 ネットゲームのお金やアイテムを、現実世界の金銭で買うことに抵抗が無いらしいんですな。

 で、これに目を付けたのが中国やら韓国やらのゲーマーで。
 彼らは集団で、いわばもう業者となって、FF11の中でゲームのアイテムや金を稼ぎ、それをリアルで売り払って生活をしているという者がいる有様。

 これがまた、リアルで真面目に労働するよりも稼げるっていうんだから……中国やら韓国の人々が会社を作って必死に取り組むのは当然。
 そういった、リアルのために必死なプレイヤーの介入で、なんとも殺伐とした世界になってきております。>『FF11』


 『FF11』という世界は、もうすでに末期です。

 日本人以外のプレイヤーはそこそこ増えているようですけれど、日本人の新規プレイヤーは明らかに少ない。
 そしてこれからも、そんな爆発的にユーザーが増えることはないでしょう。

 ただ、これは日本人的気質なのかもしれないし、あるいは他に魅力あるゲームが無い、と言うのもあるのかもしれないけれど。
 一度手に入れたアイテム、あるいは友人知人関係を手放すのが惜しくて、ずるずると課金を続けている、というのもあるのかもしれない。

 毎月掛かる課金は、人によってまちまちで(サブキャラの数)、まあ大抵は二千円弱でしょう。
 二カ月〜三カ月で新たな要素が加えられ、まあそれなりの鮮度を保ってゲームに取り組むことが出来る。
 こう、座したまま新規要素を楽しめて、長続き出来る状態っていうのは、楽ですわな。


 『FF11』ではなく、もう八年も続いているネットゲーム『Ultima Online』(以下『UO』)で、日本人を語るのに面白いエピソードを聞いたことがあります。

 『UO』は当初アメリカのみでのサービスで、日本人のユーザーが楽しむには英語版を輸入して、アメリカのサーバーに接続して楽しむ必要がありました。
 んで、その日本人の多さに目を付け、もっとユーザーを獲得しようと、日本にサーバーを作ることになりました。

 アメリカのサーバーに接続すると、その距離が邪魔して、どうしても回線状況が悪くなり、ネットゲームを楽しむうえで壁になっていたんですね。
 で、日本にサーバーをおいてしまえばその問題もなくなり、なおかつ多くのユーザーも獲得できるだろう、と。

 ほいでもって、日本にふたつのサーバーが作られたわけですが……ここで、ある問題が発生しました。
 アメリカと同じようなユーザー数だというのに、日本のサーバーは、定期的に行われるサーバー全体のセーブに、やけに時間が掛かるんですね。

 で、なぜセーブに時間が掛かるかと言うと……。
 日本人は、ゲーム内で設置することが出来るマイハウスに、大量のアイテムを貯め込んでいたからなんです(笑)。

 刹那的に生きるキリギリスと、貯蓄に勤しむアリ、みたいな。
 アメリカ人と日本人の違いを描き出している面白いエピソードだったので、よく覚えています。

 まあようするに、ネットゲームという架空の世界のアイテムや金銭であろうとも、日本人というのは手放しがたい、ということでありますな。


 過去に二度、ネットゲームにずぶずぶとハマっていた自分。

 そのハマっていた時間を、別のことに費やしていれば……などと考えることは、一度や二度では無かったです。
 けれど、こうも思うわけです。
 その時間を無駄にするか否かは、結局はその人しだいなんじゃないかなって。

 ネットゲームとはいえ、そこにはもうひとつの現実があります。
 自分以外のキャラクターたちの中には、全て他のプレイヤーの意志が介在しているわけです。

 その架空の世界での、もうひとつの現実。
 そこで得た経験をどう活かすかはまあ、本人次第っちゅうわけですな。

 ただの息抜き、ストレス解消の場だとしても、あんま金の掛からんところは利点ではあります。


 ……もうひとつの世界、ということで思い出すのは、すでにもう引退している『UO』での生活だったりします。

 なにもかもが手探りで、周りは外人ばかりという世界で、それでも拙い言葉を使って知り合いを作り、交流していく。
 母国の言葉で喋れる日本の仲間たちとの出会いが何よりも心強く。
 外人との言葉の壁に嘆き、時には互いの利益のために剣を交え、戦い、奪われた後でも、なにか心地良い刺激があって笑い合えたような、そんな世界。

 ちくちくと金を稼ぎ、ようやく立てたマイホーム。
 そこに多くの仲間達が通い、いつしかギルドのホームとなり、決闘や習練、歓談とで賑やかだった日々。

 戦いに明け暮れ、いつしか当時の鯖有数のDuelistに、Web上で強者と認められたことの喜び。

 ……あの時、出会えば剣を交えるばかりだった盗賊や、毎日のように顔合わせ共同生活を送ってきた仲間達は、いまはどうしているのだろうか……。


 またあのような日々に出会えるのだろうか、と、ネットゲームの魅力に後ろ髪を引かれつつも。
 それは老後の楽しみだと、慌てて正面を見つめようとする自分がおりまする(笑)。